法務の平均年収は997万円【2023年最新・年齢別データ】

法務の平均年収は997万円。ただし、これは全年齢の平均値だ。30代前半はまだ597万円で、1,000万円の壁を超えるのは40歳を過ぎてからになる。

特徴的なのは40〜44歳の年収ジャンプだ。35〜39歳の693万円から40〜44歳の1,043万円へ、5年間で+350万円という上昇は他の職種では珍しい。この背景には賞与の急増がある。

厚生労働省の2023年データをもとに、年齢別の年収実態と転職で年収を上げるタイミングを解説する。

項目
平均年収 997万円
月収(所定内給与) 68.4万円
年間賞与 176万円
平均年齢 49.9歳
平均勤続年数 5.3年
対象労働者数 21,150人

法務の年齢別年収

年齢 年収 月収 賞与
20〜24歳 296万円 22.5万円 26万円
25〜29歳 603万円 45.1万円 62万円
30〜34歳 597万円 45.6万円 51万円
35〜39歳 694万円 47.3万円 126万円
40〜44歳 1,044万円 60.0万円 324万円
45〜49歳 968万円 65.5万円 182万円
50〜54歳 982万円 67.2万円 175万円
55〜59歳 953万円 62.9万円 198万円
60〜64歳 1,791万円 126.8万円 269万円
70歳〜 350万円 29.1万円 0万円

年収ピークは40〜44歳の1,044万円で、その原動力は賞与324万円。35〜39歳との差額350万円のうち、約198万円が賞与の増加分だ。

60〜64歳の1,791万円は突出した数字だが、これはCLO(最高法務責任者)や顧問弁護士クラスが混在している影響と考えるのが自然だ。一般的な法務キャリアの到達点として参照するには注意が必要。

30〜34歳の597万円が25〜29歳の603万円より低いのも興味深い。この年代は転職で法務に入ってくる人が増える時期で、経験年数が短いメンバーが平均を押し下げていると見られる。

法務の年収は高い?低い?

ホワイトカラー28職種の中で、法務は上位3位以内に入る高年収職種だ。公認会計士・税理士(1,045万円)と並ぶ水準で、エンジニア系(システムコンサルタント約800万円台)を大きく上回る。

同じ「経理・会計・法務」カテゴリの中では、法務(997万円)>公認会計士・税理士(1,045万円)に次ぐポジション。一般的な会計事務従事者(約500万円台)と比べると2倍近い差がある。

ただし、この水準に達するには年齢がかかる。30代のうちは600万円台が現実で、「法務=高収入」が本格的に実感できるのは40代以降だ。

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法務で年収を上げる方法

最も確実な方法は、30代のうちに転職することだ。平均勤続年数5.3年という数字は、法務の転職市場が活発であることを示している。同じ会社に居続けて40代のジャンプを待つより、転職で年収水準の高い会社に移る方が早い。

特に狙い目は35〜39歳。この年齢帯は694万円だが、40代前半で1,000万円超えが見える位置にある。事業会社の法務経験3〜5年以上があれば、外資系や大手上場企業への転職で一気に800〜900万円台に乗せることは現実的だ。

資格面では弁護士資格が年収の天井を大きく引き上げる。ただし、インハウスローヤー(社内弁護士)として採用される場合、弁護士事務所のアソシエイト並みの年収(600〜1,000万円)を企業側が提示するケースが増えている。資格なしでも、M&A・コンプライアンス・知財などの専門領域を持つことが年収差を生む最大のポイントだ。

法務の仕事内容

法務は企業の法的リスクを管理する職種で、契約書のレビュー・作成から始まり、訴訟対応、M&Aのデューデリジェンス、コンプライアンス体制の構築まで幅広い。業務の幅は会社規模によって大きく異なり、大企業ほど専門領域が細分化される。

年収が高い理由はシンプルに専門性の高さと希少性だ。法務の人材は絶対数が少なく、かつ経験年数が物を言う。M&Aや国際契約を扱える人材になると、市場での希少価値がさらに上がる。40代以降の賞与が急増するのも、こうした高度な案件を任せられる人材が評価されている証拠だ。

よくある質問

Q: 30〜34歳の年収が25〜29歳より低いのはなぜですか?

A: データによると25〜29歳が603万円、30〜34歳が597万円と確かに逆転している。最も有力な理由は転職者の流入だ。30代前半は他職種から法務に転向するキャリアチェンジ組が増える年代で、経験年数が短い分、平均を引き下げている。同じ会社で5年以上続けている人に限れば、30〜34歳でも700万円前後が実態に近いと考えられる。

Q: 40〜44歳の賞与324万円は本当ですか?高すぎませんか?

A: データ通りの数字だ。ただし、これは上場大企業の法務部長クラスが平均を引き上げている可能性が高い。この年代になると部署のトップや法務責任者に昇進するケースが増え、業績連動ボーナスが加算される。全員が324万円をもらえるわけではなく、同年代の中でも実力・会社規模によって200〜500万円と幅がある。

Q: 平均勤続年数5.3年は短くないですか?転職しやすい職種ということ?

A: その通りで、法務は転職が当たり前の職種だ。弁護士事務所から事業会社への移籍、事業会社間の横断的な転職が活発に行われている。この流動性は転職市場としてはポジティブで、「優秀な法務人材に声がかかりやすい」環境を意味する。勤続年数が短くてもキャリアが評価される職種なので、年収アップのための転職に踏み切りやすい。

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本データは厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2023年)」をもとに作成しています。データ取得元:e-Stat(政府統計の総合窓口)/統計表ID:0003426335